僕は遺品整理屋だ。

「なぜ? 自分らしく生きる方が良いのか?」という問いに、結論を言えば、絶対に誰かと同じ人生は歩めないから。そして、飛躍するようだけど遺品整理を楽しくする方法でもあるのだ。

『事実は小説より奇なり』《Truth is stranger than fiction.》この言葉を耳にした人は多いだろう。これは、英国の詩人バイロンの言葉で、世の中の実際の出来事は虚構である。小説よりもかえって不思議である。という意味を持っている。

遺品整理というとなんだかネガティブと思う人が多く、ポジティブなイメージを持つ人は少ない。亡くなった人を想うと悲しかったり、片づけてみると大変でなかなか作業が進まない……こんな感じだ。

遺品整理の相談を受けて作業をするにあたり、毎回、ネガティブにとらえると、心身ともに疲れ果ててしまう。身体は疲れても、心を疲れさせてしまうと毎日が憂鬱になる。だから、心を穏やかに、平穏を保たせていたいと願う。反対に遺品整理をビジネスと割り切る勇気はない。

僕は遺品整理をしながら推理小説の作者ように楽しんでみるのだ。

亡くなった方の人生を片づけながら、足取りをたどり、一冊の小説を頭の中で書き上げる。最初に依頼者から生前どんな方だったかを聞く。片づけを開始して、依頼者から聞いていないことを発見すると嬉しくなる。また、依頼者から聞いた人物像と一致すれば、また嬉しい。こんなことを繰り返して行くと、だんだん亡くなった方の情報の点が結ばれ線になっていく。亡くなった方が生きていた証が膨大な情報として、部屋に残されているんだ。部屋はその人そのものだから。

作業が終わった頃には、一冊の小説が読み終わる感覚。そして、最後に僕のエピローグと解説で終わる。

こんな風に人は誰でも同じ人生はなく、色々な人生をたどる。同じ目鼻を持った同じ人間でも、一つも同じ人生が無いことに気づかされる。

そして、いつも不思議に思う。相談者と僕たちが一緒に遺品整理の片づけ作業をすれば、必ず、相談者の知らなかった亡くなった人の人生を垣間見ることになる。

もしも、今のあなたが自分は人と違うと違和感をもち、焦りを感じていたならば、気にすることは無い。人と同じ人生は何の意味もないし面白味もない。

どんなに頑張っても誰かと同じ人生は絶対に送れない。これ、遺品整理屋のデッカイ独り言。誰かと同じ人生が送れないなら、思いきって自分らしく生きた方が楽だと思うよ。これ、遺品整理屋からのアドバイス。